ラリータは、ネパール西部のバトゥーリという村に暮らす11歳の少女で、国連WFPの給食支援を受けています。午後2時、昼休みの終わりを告げる鐘が鳴るとラリータはすぐに教室に走って行き、教科書を広げて、クラスメイトと一緒に先生が来るのを待ちます。
英語の先生が入ってくると、生徒たちは「グッドアフタヌーン」と元気な挨拶で先生を迎え授業に集中します。「もし給食がなかったら、私はお腹がすいて耐えられなかっただろうと思います。給食のおかげで勉強に集中できるわ。」と、ラリータは語ります。
まだ幼いラリータですが、家ではたくさんの家事を手伝っています。水汲みに行き、野菜を切り、掃除をし、休日には6時間かけて薪集めに行きます。「家のことをたくさんやらなくてはいけないので、休日は好きじゃないの。学校に行って、給食を食べて、学んで、友達と一緒に遊ぶのが好き。」と、ラリータは言います。
国連WFPは、1996年以来、ネパールで給食支援を行っています。4人に1人が1日60円足らずで暮らし、450万人が栄養不足で苦しむネパール。国連WFPは、貧しい地方の農村に暮らす十数万人の子どもの生活を支えています。
「学校給食によって大きな変化がもたらされています。大勢の親が、学校給食支援が教育や健康、社会に有益だと考えるようになってきています。」とモハン・バハデュラ・ボハラ校長は語ります。クラスでも成績優秀な生徒の一人であるラリータには夢があります。「大きくなったら先生になって、子どもたちに勉強を教えてあげたいの。」学校給食で、子どもたちの空腹は満たされ、学ぶ喜びが増し、より大きな夢を持てるようになるのです。
国連WFPニュース2014.1月号より抜粋